ピアノ 秋の調律・整調
季候のよい時期になったので、ピアノのメンテナンスを行いました。
調律と整調、2台で4時間半、たっぷりかけて、丁寧にみていただけました。
ウォルナットのC2CPは、本当に安定していて、狂いが少ないとのこと。
先日も、公演前の指ならしに弾いてくださったピアニストの方に、「よい状態のピアノで、いい音で、良い練習ができました。」と、言っていただけたC2CPです。きっと、楽器として、安定したよい時期なのでしょう。弾いて気に入ってくださる方が多くて、嬉しく思っています。
酷暑の夏場、サロンの防音室内の温度・湿度はできるだけ保つようにはしていたのですが、それでも、楽器には厳しい夏で、C3Xはちょっと気になるところが出てきたため、夏にいちど、調律をしていただきました。それからまだあまり経っていないのですが、やはり、ピアノのメンテナンスは季候の良い時期にしておきたい、ということで、今回も、2台ともみていただくことにしました。
メカニックな部分は、使っていると、どうしても緩んでくるものです。例えば、「ペダルのあそび」。少し大きくなっていたということで、適切な量に調整してくださいました。
いつもの3弦合わせやハンマーの間隔、ハンマードロップ、などの調節。
正しい位置関係にあるからこそ、弦とハンマーがかみ合って良いタッチ、よい音になる、ということで、ハンマーの並びの美しさや、ハンマーに付いた弦の3本の跡がまっすぐに皆同じ位置に付いている美しさ、よく調節された楽器は、部分部分も美しいのだということが分かります。

そして、今回のテーマのひとつは、ハンマーの動きのなめらかさの加減です。
ハンマーを支えている長い棒を「ハンマーシャンク」といいます。付け根が関節のようになっていて、ハンマーが動きます。

その、関節部分をとめているピンを「シャンクフリンジセンターピン」と呼ぶのですが、周りに赤いフエルトがあって、このフエルトが膨らんでいると、関節の動きがかたくなり、鍵盤が重い、と感じてしまいます。
この関節の動きが全て揃っていると、持ち上げたハンマーから手を離したときに、パタン、と、揃って落ちていきます。

ところが、ちょっと動きが遅れるハンマーがあれば、フエルトとピンの滑りがわずかに悪いのです。
そこに、特別な液を注入して、動きを整えていきます。

調整後には、鍵盤のどの位置でも、隣り合ういくつかのハンマーが、パタン、と同じ速さで落っこちていくのが見事です。
この、フリンジ(関節部分)の抵抗が、ありすぎると鍵盤が重いのですが、なさ過ぎても、つまり、スルスル動くのが良い、というわけでもないそうで、適度な抵抗(3gに整える、とのこと)が必要なのだそうです。
写真のようにぶら下げて振ったときに、3往復ぐらいで止まるのが具合のいい抵抗、とのことです。

そういうことが、打鍵のニュアンスを伝えることに繋がってくるんですねえ。
さらに、こちらはアクションの裏側。グランドピアノのアクションは「筬(おさ)」という塊になっていて、ごっそり引っ張り出すことができます。その、裏側です。

丸いボタンのような金具が飛び出しています。7つあります。
筬(おさ)は、この金具と奥と手前との3カ所で、棚板の上に乗っかっていて、他の部分は浮いています。
湿気や気温の違いでピアノは伸びたり縮んだりするので、棚板が下がっていると、この金具がきちんと棚板に触れていなくて隙間ができることがあります。この金具の出っ張り具合をアクションの上側に出ている「ベッティングスクリュー」で調節します。ダンパーペダルを踏みながら、コンコン叩いてボタンが棚板に当たる音がしない位置に調節するのだそうです。

鍵盤の間からにょきっと出ている丸い棒が「ベッティングスクリュー」です。
それが、どこに影響するか、というと、なんと、鍵盤を押したときの「深さ」が変わるんですって。
実際に鍵盤に深さのゲージを当てながらベッティングスクリューを回してみてくださいました。本当に深さが変わるのが分かります。
鍵盤が沈む深さは1cm、これが大きいと、指の力が伝わりにくくて、鍵盤が重いように感じてしまいます。
今回の整調で、細かなパッセージや連打が弾きやすくなったと実感しました。
毎回、詳しく、なぜ、そういう調整をするのか、しくみと共に教えてくださるのが、とっても面白くて、楽器がますます好きになります。
作業に関する写真や動画の撮影も認めてくださって、ここで(正しく受け売りできているかどうか、わかりませんが)紹介できるのも、楽しいことです。
いつも本当に丁寧に整えてくださるので、サロンのピアノは安心してお客様に演奏していただけます。
気持ちの良い音と、繊細なニュアンスが伝わる弾き心地になりました。
ぜひ、らぼポルカのピアノを弾きにいらしてください。
みなさま方のご予約をお待ちいたしております。
調律と整調、2台で4時間半、たっぷりかけて、丁寧にみていただけました。
ウォルナットのC2CPは、本当に安定していて、狂いが少ないとのこと。
先日も、公演前の指ならしに弾いてくださったピアニストの方に、「よい状態のピアノで、いい音で、良い練習ができました。」と、言っていただけたC2CPです。きっと、楽器として、安定したよい時期なのでしょう。弾いて気に入ってくださる方が多くて、嬉しく思っています。
酷暑の夏場、サロンの防音室内の温度・湿度はできるだけ保つようにはしていたのですが、それでも、楽器には厳しい夏で、C3Xはちょっと気になるところが出てきたため、夏にいちど、調律をしていただきました。それからまだあまり経っていないのですが、やはり、ピアノのメンテナンスは季候の良い時期にしておきたい、ということで、今回も、2台ともみていただくことにしました。
メカニックな部分は、使っていると、どうしても緩んでくるものです。例えば、「ペダルのあそび」。少し大きくなっていたということで、適切な量に調整してくださいました。
いつもの3弦合わせやハンマーの間隔、ハンマードロップ、などの調節。
正しい位置関係にあるからこそ、弦とハンマーがかみ合って良いタッチ、よい音になる、ということで、ハンマーの並びの美しさや、ハンマーに付いた弦の3本の跡がまっすぐに皆同じ位置に付いている美しさ、よく調節された楽器は、部分部分も美しいのだということが分かります。


そして、今回のテーマのひとつは、ハンマーの動きのなめらかさの加減です。
ハンマーを支えている長い棒を「ハンマーシャンク」といいます。付け根が関節のようになっていて、ハンマーが動きます。


その、関節部分をとめているピンを「シャンクフリンジセンターピン」と呼ぶのですが、周りに赤いフエルトがあって、このフエルトが膨らんでいると、関節の動きがかたくなり、鍵盤が重い、と感じてしまいます。
この関節の動きが全て揃っていると、持ち上げたハンマーから手を離したときに、パタン、と、揃って落ちていきます。


ところが、ちょっと動きが遅れるハンマーがあれば、フエルトとピンの滑りがわずかに悪いのです。
そこに、特別な液を注入して、動きを整えていきます。

調整後には、鍵盤のどの位置でも、隣り合ういくつかのハンマーが、パタン、と同じ速さで落っこちていくのが見事です。
この、フリンジ(関節部分)の抵抗が、ありすぎると鍵盤が重いのですが、なさ過ぎても、つまり、スルスル動くのが良い、というわけでもないそうで、適度な抵抗(3gに整える、とのこと)が必要なのだそうです。
写真のようにぶら下げて振ったときに、3往復ぐらいで止まるのが具合のいい抵抗、とのことです。

そういうことが、打鍵のニュアンスを伝えることに繋がってくるんですねえ。
さらに、こちらはアクションの裏側。グランドピアノのアクションは「筬(おさ)」という塊になっていて、ごっそり引っ張り出すことができます。その、裏側です。


丸いボタンのような金具が飛び出しています。7つあります。
筬(おさ)は、この金具と奥と手前との3カ所で、棚板の上に乗っかっていて、他の部分は浮いています。
湿気や気温の違いでピアノは伸びたり縮んだりするので、棚板が下がっていると、この金具がきちんと棚板に触れていなくて隙間ができることがあります。この金具の出っ張り具合をアクションの上側に出ている「ベッティングスクリュー」で調節します。ダンパーペダルを踏みながら、コンコン叩いてボタンが棚板に当たる音がしない位置に調節するのだそうです。

鍵盤の間からにょきっと出ている丸い棒が「ベッティングスクリュー」です。
それが、どこに影響するか、というと、なんと、鍵盤を押したときの「深さ」が変わるんですって。
実際に鍵盤に深さのゲージを当てながらベッティングスクリューを回してみてくださいました。本当に深さが変わるのが分かります。
鍵盤が沈む深さは1cm、これが大きいと、指の力が伝わりにくくて、鍵盤が重いように感じてしまいます。
今回の整調で、細かなパッセージや連打が弾きやすくなったと実感しました。
毎回、詳しく、なぜ、そういう調整をするのか、しくみと共に教えてくださるのが、とっても面白くて、楽器がますます好きになります。
作業に関する写真や動画の撮影も認めてくださって、ここで(正しく受け売りできているかどうか、わかりませんが)紹介できるのも、楽しいことです。
いつも本当に丁寧に整えてくださるので、サロンのピアノは安心してお客様に演奏していただけます。
気持ちの良い音と、繊細なニュアンスが伝わる弾き心地になりました。
ぜひ、らぼポルカのピアノを弾きにいらしてください。
みなさま方のご予約をお待ちいたしております。
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